現場で測量・墨出しを行う際に様々な道具を使用しています。メインで使用する機材の一部を紹介します。
墨出しは建築プロジェクトにおいて非常に重要な役割を果たします。
まず、その意義の一つは、設計図面と現場の実際の施工を正確に一致させることです。
墨出し作業により、建築物の基礎や構造物の位置が正確に設定されるため、工事の進行がスムーズになります。
例えば、柱や壁の位置、設備の取り付け位置などが事前に明確に示されることで、施工ミスや手戻りを防ぐことができます。 実際の現場で使用るする機材をご紹介します。
レーザー墨出し器(おおがね)
水平ライン、縦ラインが光として放出されまっすぐな線として地面、天井、壁にうつしだされます!
当社ではレーザー光の色の種類として赤、緑、青が
あり用途によって使い分けて使用したりしています。
左の写真は緑です。
例えば日中に外部で使用する場合赤では見えづらいのですが、緑や青なら見やすいなどそれぞれです。
当社で使用する機材は精密機器が多々ありその中の一つですね!!
当社ではこのタイプのレーザー墨出し器を
おおがねと呼んでいます♪
左の写真ようにおおがねの真下にある赤丸内にある赤点がありますね?
その赤丸と上に出てる赤丸内の緑の十字が同じ位置にあります。
なので下にある十字線と同じ位置に十字線が上部に写し出せれます。
レーザー墨出し器超小型レーザー(チビレーザー)
レーザー墨出し器のミニバンです。
縦ラインと横ラインのレーザー光が出ます。
このレーザーは主にレベル(高さ)ラインを出すときに使用します。
他には外部(建物の外壁)み下から上まで真っすぐな墨(線)を出すときに使用します。
当社ではチビレーザーと呼んでいます。
左はチビレーザーで使用する外部台という当社オリジナルの道具です。
壁面にあてて使用する道具で、外壁上部等で三脚が使用できないところで外部台にチビレーザーを取り付け使用することによって基準レベル、基準縦墨を壁面に出せる道具になります。
トータルステーション(光波)
建物の位置出し、座標測量、敷地の実測、既存建物の現状実測、親墨出し、高低差実測等ができる優秀な機械です。
精密機械で水に弱いため雨の日などの作業は控えたいところです・・・
ですが、高性能なため何メーターもある鉄骨柱の倒れ、精度管理も人がそこまであがらずとも計測ができ仕事の速さやはもちろん実測結果のデータ化図面化も容易でき、元請様に提出するのも簡単にできます。
当社では、光波(こうは)と呼んでいます。
下記使用例、トータルステーションとプリズムを使用している作業風景です。
プリズム
220度プリズム
先ほどのプリズムはトータルステーションがいる方向に真っすぐ向けなければなりませんが、
このプリズムは名前の通り広角にミラー(鏡)がついているので真っすぐ向ける必要がなく220度の方向にミラー(鏡)がついているので見える位置からならどこからでも測量できます。
なので基準となる点(位置)に三脚をつけセットしたままでトータルステーションをどこに移動しても見える位置にトータルステーション設置すれば何度も同じ場所にいきプリズムを立てる必要がないので時間短縮になります。
2.5インチプリズム
先ほどのプリズムの大きいものと思ってくれればいいですね。
これはピンホールではなく三脚に取り付け基準となる位置に立てっぱなしで使うものでこれもトータルステーションのあるほうへ向けて据え付ける必要があります。
当社ではターゲットと呼んでいます。
オートレベル
この機械は建物の基準レベル(高さ)を遠くに移したり、地面や床の高さを計測したり等、高低差に対する実測に使用されます。
FL(フロアーライン又はフロアレベル)
床の仕上の高さ
GL(グラウンドレベル又はグラウンドライン)
地盤面の高さ
等の建築物を建てる際の基準となる高さを決めたときに不動物や立ち上がってきた建物内に基準高さの印をつける際に使用します。
コンベックス
こちらが毎日一番使用している道具の一つでコンベックッスといい写真の物は5.5mの長さまで計測できるものになています。他にも7.5m、10mと様々ですがこの5.5mが一番使用されていると思います。
建築ではセンチは使わずミリ単位で表現するので、10センチとは言わず100ミリというので相方に「100つけて~」と言われると10センチのところにポイントを付けます。
最初ミリ表現になれていない新入社員は戸惑うようです。こればっかりは慣れるしかないですね・・・
ちなみにスケールともいいます。
差し金
見ての通り直角になっていますよね?
それを利用して直線上にある交点の線上に差し金を平行にあててその線に対しての直角の線を引いたりします。
当社ではその作業を矩(カネ)をまくといっています。
スケールに続いてよく使う道具となります。
墨差し
こちらを見たことある方は少ないと思います。
墨差しといいます。
昔の大工さんがよく使用していたもので、墨付け(ポイント、しるし)を書く物です。
使用方法としては斜めになっている先端に墨汁をつけ印をつけます。
逆の先端四角いほうはかなづち等で叩いて柔らかくして鉛筆、筆代わりに使います。
墨つぼ
こちらが、墨出し屋さんには欠かせない道具墨つぼといいます。
床、壁、天井etcに真っすぐな直線を付けられる道具です。
スポンジが入っているところに専用の墨汁を入れて使用します。
よく使用する色は、黒、赤、白になります。他にも人によっては蛍光ピンクなども使用している人もいます。
左が上記にある墨つぼに入れる墨汁の一例になります。
左にあるのは入れ物に書いてあるように雨の日に使える墨汁です・・・といいたいところですが、違います・・・
多少濡れていても油を含んでいるので水を弾いて濡れている面にも打てる(にじまない)ものです。
雨の日と書いていないものは濡れている面に打つと墨が広がってしまい真っすぐな細い線が描けません。
なのでその日その場所その時の状況により適材適所で使い分けます!!
チョークライン
こちらは、チョークラインといって墨を打ってはいけないところで使用する墨つぼのチョークバージョンになります。
工場等のコンクリートの床、外壁がコンクリートむき出し壁のように仕上げが何も貼らずそのまま(素地)の部分で使用します。
チョークなので線が残らないのが特徴です。
墨をつけてしまいますとお客様引き渡し後も残ってしまうのでチョークを使用します。
左の写真がチョークの粉になります。
色もこのほかに青や黒もあります。
これも用途に合わせたり気分に合わせたりといろいろですね!!
刷毛(はけ)
刷毛(はけ)といいます。
正式名称なのかどうかは不明ですが。。。
はけです!ハゲではありません!はけです!
仕上墨出しという作業がありますが主にその作業の際に使用している頻度が高いイメージがありますね。
墨を打つ部分が砂ぼこり等で汚れていると墨がのらない(つきづらい)為綺麗に掃いてから墨を打つ為に常備しています。
広い範囲を掃くときは皆さまもご存じほうきで掃き掃除をしますね。
ちなみにですが、下の写真が仕上墨出しという作業で私たちが出している墨(線)です。
図面を見ながら出していきます。
LGS(ライト(軽い)・ゲージ(規格の)・スティール(鉄骨)又はライト・ゲージ・スタッド)の墨出しです。
LGS=軽量(けいりょう)とも言っています。
余談ですが、写真が軽天工事といい、軽量の鉄骨で天井まで柱を立てる工事という意味らしいです。
要は壁の骨組みの墨出しで、LGSを立てるとその上にボード、右写真でいうと奥の黄色い壁ですが、それを貼り、クロスなどを貼って皆様が普段見ている壁が出来上がります。
写真は壁ができ始める様子ですね。
私たちが墨を出し、LGS屋さんがLGSを立て・・・と建築の内装は出来上がっていきます。
さらに、墨出し作業はプロジェクト全体の効率を向上させる役割も担っています。施工計画に基づいた墨出しが行われることで、各工事の段取りがスムーズになり、作業の無駄を省くことができます。これにより、工期の短縮やコスト削減が実現されるため、プロジェクト全体の成功に寄与します。 加えて、墨出しはコミュニケーションツールとしての役割も持っています。現場の作業員や施工管理者が同じ基準に基づいて作業を進めることができるため、誤解やトラブルの発生を防ぐことができます。墨出しによって現場の状況が視覚的に確認できるため、各工程の進捗状況や問題点を把握しやすくなります。 以上のように、墨出し作業は建築プロジェクトにおいて設計の忠実な実現、品質の確保、効率の向上、そしてコミュニケーションの円滑化に大きく貢献しています。そのため、墨出しの正確性と信頼性が、プロジェクト全体の成功を左右する重要な要素となっています。